北名古屋市 矢澤法律事務所

0568-21-0025

北名古屋市 矢澤法律事務所

2016年

1月

28日

交通事故と刑事記録

 交通事故の事故態様に争いがある場合には,刑事記録を参照することになりますが,刑事記録と言っても様々な種類があり,種類に応じて取得方法も異なります。

続きを読む

2015年

10月

30日

人身傷害保険の有用性

 自動車を運転するにあたり,自賠責保険に加入することは法律上の義務ですが(自賠法5条),任意保険に加入するかどうかは文字通り「任意」です。一般社団法人日本損害保険協会のデータによれば我が国における任意保険(対人・対物保険)の加入率は70%強というところです。

続きを読む

2015年

7月

16日

道路標識の法的根拠

車の運転をする場合,当然道路標識に従って運転するわけですが,道路標識の様式,種類,設置場所についても一つずつ法的根拠があります(道路法45条,道路標識、区画線及び道路標示に関する命令2条,3条)。道路標識の中には,一時停止や進入禁止といった誰にでも意味が分かりやすいものもあれば,よくよく考えると意味がわかりにくいものとがあるため,法律で意味を明確に定めておく必要があります。

続きを読む

2015年

4月

16日

会社の取締役の休業損害

会社の取締役が交通事故に遭って休業を余儀なくされ,現実に収入が減少した場合には,給与所得者と同様に休業損害の請求をすることができます。ただし,取締役報酬は,経営者として受領する会社の利益配当的部分と労務対価部分とに分けて考えることとなり,休業損害の対象となるのは労務対価部分に限られます。具体的な労務対価部分の認定は,会社の規模,会社の利益状況,取締役の報酬額,職務内容等を基に判断することとなります。

続きを読む

2015年

3月

04日

運転中の携帯電話使用と道路交通法

 車の運転中に携帯電話を使用してはいけない(違反すれば反則金や刑事罰の対象となる)というルールは広く認識されていますが,どのような行為がどのような処罰の対象になるのかということについては予め法律で定めておかなければなりません(大げさな言葉でいえば,これを罪刑法定主義といいます)。

続きを読む

2015年

3月

04日

交通反則通告制度

 交通反則通告制度とは、軽微な交通違反については法律に定める反則金を納付することにより刑事処分を受けずに済むこととした制度です(道路交通法125条以下。道路交通法施行令別表六に定められた違反について適用される)。道交法違反事件はあまりに数が多いため,一つ一つの違反について全て刑事処分を行うことが現実的でないためこのような制度となっています。

続きを読む

2015年

3月

03日

駐車場における道路交通法の適用

 駐車場においても道路交通法は適用されるでしょうか。適用されるとすると,駐車場内でも道路交通法違反があれば行政処分,刑事処分を受ける可能性があることになりますし,また駐車場内の交通事故における過失割合にも影響することになります。

続きを読む

2014年

8月

09日

交通事故による怪我の診療と健康保険

 交通事故による怪我の診療においても,労災の適用がある場合等を除き(健康保険法55条),医療機関に第三者行為による傷病届を提出することにより健康保険は使用できます(昭和43年10月12日保険発第106号 厚生省保険局保険課長国民健康保険課長通知)。そして,健康保険が保険給付した場合は,健康保険が加害者に対する損害賠償請求権を取得することになります(健康保険法57条)

 もちろん,健康保険を使用しなくとも,治療費は基本的に加害者側の負担になりますので,被害者にとってはどちらでも構わないようにも思えますが,それでも健康保険を使用するメリットはあります。

 とりわけ被害者にも過失がある場合には,治療費にも過失割合に応じた自己負担分が生じます。そして,診療報酬は保険診療より自由診療の方が高いですから,被害者の過失割合が高ければ高いほど保険診療の方が被害者の負担も少なくなります。

 また,自賠責保険の保険金額は,傷害のみの場合120万円と決まっていますので,自由診療による高額な診療報酬が発生する場合,自賠責保険の保険金額を超えることもあります。そうすると,超過した部分については,加害者側(任意保険も含む)の負担となりますが,加害者側が任意保険に加入しておらず,資力がない場合には,事実上,被害者負担になる可能性がありますし,任意保険に加入している場合であっても,治療費以外の費目における任意保険会社との交渉に影響してくる可能性があります。

 

健康保険法

(他の法令による保険給付との調整)

第五十五条  被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費,入院時生活療養費,保険外併用療養費,療養費,訪問看護療養費,移送費,傷病手当金,埋葬料,家族療養費,家族訪問看護療養費,家族移送費若しくは家族埋葬料の支給は,同一の疾病,負傷又は死亡について,労働者災害補償保険法 国家公務員災害補償法 (昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用し,又は例による場合を含む。)又は地方公務員災害補償法 (昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法 に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には,行わない。

  被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費,入院時生活療養費,保険外併用療養費,療養費,訪問看護療養費,家族療養費若しくは家族訪問看護療養費の支給は,同一の疾病又は負傷について,介護保険法 の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には,行わない。

  被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費,入院時生活療養費,保険外併用療養費,療養費,訪問看護療養費,移送費,家族療養費,家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は,同一の疾病又は負傷について,他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは,その限度において,行わない。

 

(損害賠償請求権)

第五十七条  保険者は,給付事由が第三者の行為によって生じた場合において,保険給付を行ったときは,その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは,当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額。次条第一項において同じ。)の限度において,保険給付を受ける権利を有する者(当該給付事由が被保険者の被扶養者について生じた場合には,当該被扶養者を含む。次項において同じ。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。

 

  前項の場合において,保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは,保険者は,その価額の限度において,保険給付を行う責めを免れる。

2014年

5月

28日

人身傷害保険と損害賠償金との請求順序

 被害者にも過失がある場合であっても、人身傷害保険に入っていれば,自らの過失分についても保険金を受け取ることができます。その意味で,人身傷害保険は非常に心強い保険です。

ところで,人身傷害保険の保険金が支払われると,人傷保険会社は,被害者の加害者に対する損害賠償請求を取得するのですが,どの範囲で代位取得するかについては,約款の解釈上,必ずしも明らかではありませんでした。

この点につき,平成24年2月20日の最高裁判決は、「被害者に保険金を支払った保険会社は、保険金請求権者に裁判基準額に相当する額が確保されるように、保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が裁判基準損害額を上回る場合に限り、その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得すると解するのが相当である。」と判示し,この問題に決着をつけました。

 

 この最高裁判決はいわゆる、いわゆる訴訟基準差額説によることを明らかにしたものです。この訴訟基準差額説は,被害者に有利な考え方なのですが,重要なポイントは,あくまでも「人傷保険金が先に支払われた場合」に訴訟基準差額説が採用されたに過ぎないということです。つまり,人傷保険金を先に取得するか,加害者からの損害賠償金を先に取得するかによって,最終的に取得できる総額が変わってくる可能性がありますので注意が必要です。

2014年

5月

27日

交通事故における弁護士費用と遅延損害金

 交通事故案件において,訴訟提起するメリットは,裁判基準による適正な賠償が得られることに加え,弁護士費用及び遅延損害金を請求できる点にもあります。逆にいうと通常の示談では,弁護士費用や遅延損害金は通常考慮されません。弁護士費用は請求認容額の1割,遅延損害金は請求認容額につき年5%になりますから,決して小さなものとはいえません。

 

 なお,訴訟提起前に自賠責保険金を受領している場合,損害金の元本でなく発生済みの遅延損害金に充当されるべきことが,平成16年12月20日の最高裁判決で示されています。この点は,請求金額に大きな差異をもたらす点ですので,訴訟提起する場合には十分に注意すべきです。

2014年

5月

06日

自賠責がついておらず任意保険のみがついている場合

 まれに,任意保険のみがついており,自賠責保険がついていない(期限切れ)状態で,事故を起こしてしまう場合があります。このような場合,任意保険からは,自賠責保険の保険金額を超過した分のみしか支払われませんので注意が必要です。例えば,傷害事案で損害金額が200万円のケースですと,自賠責保険の保険金額120万円を超過した分である80万円についてのみ任意保険会社から支払われることになります。

 

保険約款例

第 条(保険金を支払う場合-対人賠償)

(1)当会社は、対人事故により、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して、この賠償責任条項および基本条項に従い、保険金を支払います。

(2)当会社は、1回の対人事故による(1)の損害の額が自賠責保険等によって支払われる金額(注)を超過する場合に限り、その超過額に対してのみ保険金を支払います。

(注) 被保険自動車に自賠責保険等の契約が締結されていない場合は、自賠責保険等によって支払われる金額に相当する金額をいいます。

2014年

4月

29日

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)について

 交通事故を原因として脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)が発症することがあります。症状としては,座ったり立ったりすることによる頭痛,首の痛み,めまい,耳鳴り,視機能障害,倦怠感,疲労感等が挙げられます。
 日常生活に支障をきたすつらい症状なのですが,診断基準が確立していない等の理由から,少なくとも任意交渉段階で保険会社が脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)を認めることはないでしょう。争っていく場合,訴訟が必要になりますし,訴訟でも肯定例,否定例が分かれています。

 

脳脊髄液減少症の検査が可能な病院一覧 (愛知)

ここは消さないでください
ここは消さないでください

〒481-0041

愛知県北名古屋市九之坪竹田155番地3

YMビル3階

0568-21-0025