北名古屋市 矢澤法律事務所

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北名古屋市 矢澤法律事務所

2015年

10月

02日

離婚協議,離婚調停を自分で行うコツ

当事務所では,離婚案件については,離婚協議,離婚調停の段階までは弁護士をつけないで,自分で行うことを推奨しています。とはいえ,交渉事に慣れていない一般の人が,離婚にあたってどのように条件を整えてよいのか,全くわからないという場合も多いと思います。そこで,離婚協議,離婚調停において,留意すべき事項を整理したいと思います。

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2015年

7月

23日

離婚後2年以上が経過してからの財産分与

財産分与は,離婚後2年以内に請求しなければならないとされていますが,その根拠となるのは民法768条2項です。もっとも,条文上「家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる」のが2年以内と規定されているのであって,当事者間の合意によって財産分与をすることは,離婚後2年以上が経過してからでも可能であると解されます。

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2015年

6月

05日

離婚後300日問題と民法772条の嫡出推定

民法772条は,婚姻後200日以降に生まれた子,離婚後300日以内に生まれた子は夫の子であると推定されることを規定しています。そのため,夫が生まれた子との父子関係を否定しようという場合には,子の出生から一年以内に,嫡出否認の訴え(民法774~778条)を起こさなければなりません。一年が経過してしまうと,父子関係が確定し,後にDNA鑑定によって実の父子でないことが明らかになったとしても,基本的には,父子関係を否定することはできなくなります(最高裁平成26年7月17日判決)。

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2015年

3月

19日

離婚と氏・戸籍

婚姻により氏を改めた人は,離婚後は原則として婚姻前の氏に戻りますが,離婚から3ヵ月以内に届出をすることにより,婚姻時の氏を称することができます(民法767条,戸籍法77条の2)。

 

(届出記載例) 

http://www3.city.sapporo.jp/download/shinsei/procedure/00334_pdf/presen_00334_005.pdf

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2015年

2月

28日

養育費の消滅時効

 離婚に際して養育費の取り決めをしたけれども相手方が支払ってくれないというケースがしばしばあります。このような場合,後から過去の養育費を請求することはできるのでしょうか。

 いったん取り決めた養育費を支払わない場合に過去の養育費を請求することは当然できるのですが,養育費請求権は定期給付債権と考えられますので,5年の消滅時効にかかることに注意が必要です(民法169条)。この点,判決や調停で確定した権利については10年の消滅時効となりますが,その場合でも権利確定時点では養育費の大部分について弁済期が到来していないはずですから,基本的に5年の消滅時効と考えるべきでしょう。

 

民法

第百六十九条  年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

 

第百七十四条の二  確定判決によって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。

2  前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

 

2014年

11月

07日

有責者による婚費請求

婚姻費用の分担を求める請求は,権利者が有責であっても認められるのでしょうか。この点,裁判例は分かれており,例によってケースバイケースということになります。

そもそも婚姻費用の分担請求が認められる理論的な根拠は「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と定める民法760条に求められるところ,権利者の有責性は問題とならないとも考えられます。しかし,そのような形式論理では不合理な結論を招いてしまうこともあるでしょう。そこで,裁判所は一定の場合に,有責者からの婚姻費用分担請求を「権利の濫用」として排斥することがあります。ただし,その場合でも有責配偶者と同居する未成年の子の実質的監護費用(生活費)は請求しうるという結論になる多いようです(東京高決昭和58年12月16日)。

2014年

10月

22日

離婚協議と婚姻費用

 弁護士が関与しない離婚協議において,注意が必要なのが婚姻費用の扱いです。民法760条は,「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と規定しています。これは「生活保持義務」と解されており,権利者(収入の多い配偶者)は,義務者(収入の少ない配偶者)に,自分と同じレベルの生活をさせる必要があるとされています。最近ではネットでも婚姻費用の目安について調べることができますので,(http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf),頭に入れておくとよいでしょう。

 ただ,忘れがちなのは,婚姻費用の話し合いがまとまらない場合に裁判所が認めてくれるのは,別居開始後の婚姻費用全てではなく,明確に支払いを求めたときから(婚姻費用の分担を求める調停を申し立てたときから)の婚姻費用であるということです。すなわち協議が長引く可能性が高い場合には,速やかに婚姻費用の分担を求める調停を申し立てたてるべきということになります。婚姻費用は,慰謝料や財産分与とは異なり,毎月新たに発生するものであり,支払わなければ積算されていくものですから,権利者にとってはある意味で有利な交渉カードになりえます。

 離婚協議は,金銭面だけの交渉ではないのですが,覚えておいて損はないでしょう。

 

 民法

(婚姻費用の分担)

第七百六十条  夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

 

 

2014年

6月

10日

財産分与は常に2分の1か?

財産分与における2分の1ルールは,よく知られていますが,実は,特に民法上2分の1ルールが明記されているわけではありません。民法上は,「当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮」して,財産分与ん額を定めるとしているに過ぎません。では,なぜ,2分の1ルールが実務上これほどまでに定着しているのでしょうか。本来は,財産の形成・維持に対する寄与の程度をきめ細かく考慮することも制度的にはありうるのでしょうが,現実はそうなってはいません。これは,夫婦間の財産の形成・維持に対する寄与の程度を具体的に数値化する根拠が通常ない,つまり,夫婦間が平等でないと考える決め手が通常ない,ということに尽きます。

ただ,逆にいえば,夫婦間が平等でないと考える決め手が明確に存在する場合,例えば,特殊な才能によって高額な所得を得ているような場合,夫婦の一方が極端浪費などにより夫婦財産を毀損した場合などは,例外と考えることは可能でしょう。

 

民法

第七百六十八条  協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。

  前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。

 

  前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

2014年

4月

24日

離婚と住宅ローンの連帯保証債務

 離婚の際に,財産分与という制度があることはよく知られていますが,債務については分配することができません。債務があるということは,債権者がいるということになりますが,債務者の側で勝手に債務を分割して,「あなたに対する借金は××さんに払ってもらうことになりましたので,今後は私には請求しないでください。」と言ったところで債権者には通用しないわけです。

 実際によく問題となるのは住宅ローンの保証債務です。夫名義で住宅ローンを組んで,妻が連帯保証することがよくあります。夫が住宅に住み続けるとすると,妻の方は連帯保証人から抜けたいと考えるはずですが,夫婦間で勝手にそのような取り決めをしても全く意味はありません。結局,債権者である金融機関の意向次第ということになります。

 代わりの保証人を用意しても連帯保証人の変更には応じないという金融機関も珍しくありませんので注意が必要です。

ここは消さないでください
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