同居をして老親の面倒をみることを前提として,親が子に土地建物を贈与(負担付贈与)したのに,子が老親の面倒をみない場合,贈与を取り消すことができるのでしょうか。
この点,民法553条は,「負担付贈与については・・その性質に反しない限り,双務契約に関する規定を準用する」と定めています。そして,双務契約に関する規定のうち,債務不履行解除の規定(民法541条以下)は,負担付贈与の性質には反しないと解されますので,受贈者がその負担する義務の履行を怠ったときは,贈与者は,債務不履行に基づく解除をすることができます。(最高裁判所昭和53年2月17日判決)
もっとも,贈与が負担付のものだったのかどうか,義務の履行を怠ったといえるのかどうか,といった事実関係については,争いになりやすいため注意が必要です。