時効の中断事由は、中断事由の生じた当事者間においてのみ効力が認められるのが原則です(民法148)。したがって,保証債務の時効を中断する事由(請求や承認)があっても、主債務の消滅時効は中断されません。もっとも,「連帯」保証人に対する「請求」は,民法458条,434条により,主債務者にも効力を及ぼしますので,結果として,主債務の時効も中断されることになります。
一方,保証債務については,主債務者についての時効の中断は,保証人にも効力を及ぼします(民法457)。
民法
(時効の中断事由)
第百四十七条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一 請求
二 差押え、仮差押え又は仮処分
三 承認
(時効の中断の効力が及ぶ者の範囲)
第百四十八条 前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
第四百三十四条 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。
(主たる債務者について生じた事由の効力)
第四百五十七条 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
2 保証人は、主たる債務者の債権による相殺をもって債権者に対抗することができる。
(連帯保証人について生じた事由の効力)
第四百五十八条 第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。