「相続させる」旨の遺言

遺言による財産処分には次3つの種類があります。

1 相続分の指定(民法902)

2 遺産分割方法の指定(民法908)

3 遺贈(民法904)

 

 特定の遺産を,特定の相続人に対し相続させたいという場合に,よく用いられる「相続させる」旨の遺言の法的性質について,以前は争いがありましたが,現在では,上記2の遺産分割方法の指定と解することで争いはありません(最高裁H3.4.19判決)。

法的性質が遺産分割方法の指定であるために,遺贈である場合と比べて以下のメリットが生じます。

 

(1)単独で登記手続することができる(不動産登記法63条2項 昭和47年4月17日付法務省民事局長通達)。なお,遺贈の場合には,他の共同相続人と共同して登記手続をする必要があります。

 (2)農地法3条の農地委員会又は知事の許可が不要(農地法3条1項12号)。

 (3)遺産が特定の借地権又は賃借権である場合,賃貸人の承諾が不要。なお,遺贈の場合は賃貸人の承諾が必要(民法612条1項)。