労働者か請負人かの判断基準

 例えば,建設業におけるいわゆる手間請け従業者やトラックの庸車運転手の場合,労働者か請負人かが不明確であることが珍しくありません。しかし,この区別は,残業代請求や解雇権濫用法理の適用の場面等で,重大な意味を持つものであり,使用者にとっても労働者にとっても決して軽視することのできないものです。

 では,労働者か請負人かの区別はどのように判断するのでしょうか。

 法律上,労働者とは「職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されていますが(労基法9条),労働者か請負人かが問題となるケースにおいては,必ずしも有効な判断基準を提供するものではありません(請負人の場合でも「使用される」といいうるし,請負代金と「賃金」を客観的に区別することは困難だからです)。

 この点について,昭和60年に発表された労働基準法研究会報告は,より有効な判断基準を提供しようとする試みです。同報告では,労基法9条に従い,①「使用される」=指揮監督下の労働といえるかどうか,②「賃金支払」=報酬の労務に対する対償性を「労働者性」の判断基準に据え,それぞれについてさらに細かな判断基準要素を列挙しています。http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xgbw-att/2r9852000000xgi8.pdf

 なお,労働基準法研究会は,平成8年にも,建設業手間請け従事者及び芸能関係者に関する労働基準法の「労働者」の判断基準についての報告を発表しており,実務上は大いに参考になります。

http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0112/6111/roudousyasei0803.pdf