運転中の携帯電話使用と道路交通法

 車の運転中に携帯電話を使用してはいけない(違反すれば反則金や刑事罰の対象となる)というルールは広く認識されていますが,どのような行為がどのような処罰の対象になるのかということについては予め法律で定めておかなければなりません(大げさな言葉でいえば,これを罪刑法定主義といいます)。

 運転中の携帯電話の使用についていえば,道路交通法71条,119条1項9号の3に定めがあります。71条5の5をよく読むと,結論としては当然のことですが,車が停止している場合,一定の緊急事態においては違反とならないことが明確にわかります。また,119条1項9号の3を読むと,単なる71条5の5の違反に加えて「よつて道路における交通の危険を生じさせた」場合に処罰の対象となることが読み取れます。「危険を生じさせた」というのは非常に曖昧な文言ですので,解釈の余地が大いにあります。そのため,いくら「危険を生じさせていない」と主張しても容易に通ることはないと思われますが,条文がそのような構造になっていることは知っておいて損はないと思います。

 

道路交通法

(運転者の遵守事項)

第七十一条  車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

五の五  自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号 若しくは第十七号 又は第四十四条第十一号 に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。

 

第百十九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

九の三  第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者