婚姻により氏を改めた人は,離婚後は原則として婚姻前の氏に戻りますが,離婚から3ヵ月以内に届出をすることにより,婚姻時の氏を称することができます(民法767条,戸籍法77条の2)。
(届出記載例)
http://www3.city.sapporo.jp/download/shinsei/procedure/00334_pdf/presen_00334_005.pdf
離婚して3ヵ月以上経ってから,婚姻時の氏に戻そうとする場合は,家庭裁判所の許可が必要となります(戸籍法107条1項)。
戸籍については,もとの戸籍に戻るか新しい戸籍を作るかを選択となりますが(離婚届けの「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄に記載します),婚姻時の氏を称するという場合には新しい戸籍を作ることになります。その際,注意すべき点は,子どもの親権をとって実際に養育していたとしても,子どもはそのまま婚姻時の戸籍にとどまるということです。
子どもを自分の戸籍に入籍させようとする場合は,家庭裁判所の許可を得て,子の氏を変更したうえで,入籍手続きをする必要があります。なお,子どもが15歳未満の場合は親権者が,15歳以上の場合は本人が申し立てをすることになります(民法791条)
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_07/
(離婚による復氏等)
第七百六十七条 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
2 前項の規定により婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から三箇月以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。
(子の氏の変更)
第七百九十一条 子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができる。
2 父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、前項の許可を得ないで、戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏を称することができる。
3 子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、前二項の行為をすることができる。
4 前三項の規定により氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法 の定めるところにより届け出ることによって、従前の氏に復することができる。
戸籍法
第七十七条の二 民法第七百六十七条第二項 (同法第七百七十一条 において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第百七条 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。