北名古屋市 矢澤法律事務所

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離婚協議,離婚調停を自分で行うコツ

当事務所では,離婚案件については,離婚協議,離婚調停の段階までは弁護士をつけないで,自分で行うことを推奨しています。とはいえ,交渉事に慣れていない一般の人が,離婚にあたってどのように条件を整えてよいのか,全くわからないという場合も多いと思います。そこで,離婚協議,離婚調停において,留意すべき事項を整理したいと思います。

ごく短く要点をまとめると

 

1 正しい答えがないことを前提に

2 「総合的に」考え,

3 「具体的な」案を出す

 

ということになります。以下,補足説明します。

 

1 正しい答えがない(=全てが合意ベース)

 まずは,結論の不確定性を受け入れることがスタートです。法律が全ての場合において「正しい答え」を用意してくれているはずだという誤解をしている人がいます。例えば,この場合の慰謝料は○○万円が妥当である,とか,この場合は親権は母親が取得できる,とか,養育費は○万円とするのが正しい,というものですが,絶対的に正しい唯一の正答というものはありません。もっと細かなことをいえば,まだ受給していない退職金,婚姻前に有していた預金残高,親に出してもらった住宅資金等をどのように扱うか,というような問題については必ずしも「正しい答え」が用意されているわけではありません。ありうる考え方や許容できる結論の幅については弁護士と相談するなどして整理しておく必要がありますが,ともかく個別の論点ごとに「正しい答え」を求めていくという姿勢は捨てるべきでしょう。

 

2 「総合的に」考える(=個別論点ごとに分断して結論を出そうとしない)

 そこで,重要になるのは「総合的に」考えることです。「全体的に」と言い換えてもかまいません。離婚の場合,金銭面での論点を大きく分けていくと,慰謝料,財産分与,婚姻費用・養育費の3つに分けられますが,一つずつの論点ごとに正答を出そうとするのではなく,総合的に,全体的にバランスのよい解決方法を模索することが解決への近道です。例えば,慰謝料では相手の言い分をある程度のむ代わりに,財産分与ではこちらの言い分をのんでもらう,というようなことです。

 

3 「具体的な」案を出す(=合意事項の文案を作成する)

 抽象的に「慰謝料では相手の言い分をある程度のむ代わりに,財産分与ではこちらの言い分をのんでもらう」という合意ができたとしても,合意する条件が具体的にどういうことなのかを明確にしなければ最終的な合意には至りません。最終合意に近づけるためには,条件を具体化した合意文書の文案を早い段階で作成することが重要です。つまり,さきほどの抽象的な合意内容であれば,「慰謝料では相手の言い分をある程度のむ」という部分を,「甲は乙に対し,慰謝料として○○万円支払う」という形で具体化し,「財産分与ではこちらの言い分をのんでもらう」という部分を例えば「学資保険は財産分与の対象から外す」などの具体的な条件として文書化するわけです。こうすることにより,相互に合意ができるのかできないのかが明確になりますし,修正すれば合意の可能性があるということであればさらに修正案を作成していく,というプロセスに入ることができます。

 

 このような考え方を交渉時の参考にして頂ければと思います。

ここは消さないでください
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