人身傷害保険の有用性

 自動車を運転するにあたり,自賠責保険に加入することは法律上の義務ですが(自賠法5条),任意保険に加入するかどうかは文字通り「任意」です。一般社団法人日本損害保険協会のデータによれば我が国における任意保険(対人・対物保険)の加入率は70%強というところです。

 ということは大雑把にいって約4分の1の車は任意保険に加入しないまま運転しているということになります。このような任意保険未加入車が加害事故を起こしてしまった場合,往々にして損害賠償金が支払えないため解決困難なトラブルになってしまうことがあります。

 もちろん最低限の保険として自賠責保険は使えるのですが,①物損には使えない,②保険金額,支払基準はそれぞれ自賠法施行令2条,自賠責支払基準の範囲内となる,③被害者請求(自賠法16条)するにしても加害者請求(自賠法15条)するにしても手続きは若干煩雑,という難点があります。

 このようなとき被害者としては,まず自身の自動車保険及び家族の自動車保険が使えないかをチェックすべきでしょう(独身未婚の場合は実家の両親の自動車保険まで)。現在,ほとんどの自動車保険には人身傷害保険が付保されていますが,被保険者の範囲や保険の適用範囲(歩行中,自転車・電車に搭乗中の自動車事故にも適用されるかどうか)については,きちんと自身の保険を確認すべきでしょう。

 

自動車損害賠償保障法

第五条  自動車は,これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ,運行の用に供してはならない。

 

自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の 支払基準

http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf

 

自動車保険 都道府県別加入率

https://www.sonpo.or.jp/archive/statistics/syumoku/pdf/index/kanyu_jidosha_ken.pdf