解雇の効力についての紛争において支払われた解決金の税務処理

解雇の効力についての紛争が,解決金の支払いによって解決されることがよくありますが,解決金額の設定に際して,解決金の税務処理についても予め検討しておく必要があります。

退職所得については,特別な所得控除額が定められており(所得税法30条),給与所得よりも税負担が少ない仕組みとなっていますが,通常,解雇の効力についての紛争において支払われた解決金についても退職所得として扱われることになります(所得税法30条1項参照)。

なお,退職所得の支払いをする者には源泉徴収義務がありますが(所得税法199条),受給者にも「退職所得の受給に関する申告書」(所得税法203条,所得税法施行規則77条)の提出義務があります。受給者側からすれば,この申告書を提出すれば,支払者における源泉徴収により税金が納付されることになるため通常確定申告の必要はありません。一方,申告書を提出しない場合,支払金額の20%が源泉徴収されることとなり(所得税法201条3項。なお復興特別所得税0.42%が加算される),精算が必要な場合は確定申告しなければならないことになります。

 

所得税法

第三十条  退職所得とは,退職手当,一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与(以下この条において「退職手当等」という。)に係る所得をいう。